「水商売には補償するな!!」って・・・さて「ボッタクリ」じゃない日本企業がどれだけある!?

社会的メッセージが乏しい日本

ダウンタウン松本人志が「ブレた」コメントをすると色々とややこしいことが起きる。毎週日曜日はなんだか不穏な空気が流れるようになった。ワイドなショーでの発言がそのままネット記事となり、多くのヤフコメ民を扇動してしまう。まさか松本さんが「水商売」を名指しで発言するなんて驚きだ。新型コロナでもはや平常心とは程遠い状況なのかもしれない。あらゆる問題が一気に噴出し、それらの判断がつかないままに番組を背負って発言するのは大変だ。「マスク2枚」に対しても多くのオピニオンリーダー達が全く面白くもない同じリアクションをしている。もう安倍とか小池とか無視して、それぞれに「社会」を元気づけるメッセージを発信すべきだ・・・。

 

意味がわからない・・・

なんでキャバ嬢や風俗嬢は「除外」されなきゃいけないのか!?キャバクラの多くが反社会的な事業体であり不正な手法で納税を免れているというのなら、国税庁をけしかければいいじゃないか!?「確定申告をしないで住民税を免れている(ヤフコメ)」とか全く個人事業主の手続きがわかってないアホ丸出しの意見だ。「キャバ嬢は客からカネを巻き上げている」ってどの目線の話だろう!? 公務員?銀行員?マスコミ関係?メーカー勤務?医療従事者?多かれ少なかれ既得権益に守られた連中のことを「ボッタクリ」というべきであり、水商売や風俗業に従事する人々全体を「ボッタクリ」「税金払っていない」と総称してしまうことに大いに問題がある。誰もが相応のリスクを背負って日々生きているだけだと思うが・・・。

 

税を横領している奴はどーなの

そもそもボッタクリや納税という「線引き」があやふやではあるのだけど、やたらとムキになってヤフコメを書いている自称「サラリーマン」や「自営業」様が勤めている、世間で言う所の一般企業やお店の消費税滞納額は、総額で毎年5000〜6000億円規模で発生している(消費税は約30兆円)。「税金を払っていない者は見捨てろ!!」と偉そうにほざく前に、他人の払った税金を横領してしまっている一般企業やお店とその従業員は切腹して詫びるべきではないだろか!?

 

 

国税庁からは逃れられない

経済活動は業が深い。お客に感謝をされることもあれば、凄まじいクレームを受けることもある。ずっと昔に「資本主義の本質はかっぱらい(ボッタクリ)」だと看過されてしまったが、世界の笑い者レベルの「低成長」に終始した日本では、資本主義経済に対する理解が進まず、いまだに一般企業と水商売を経営する事業体は「全くの別物」だと多くの人は思っているようだ。確かに既得権益の有無では別なんだろうけど、税制上の区別など存在しない。キャバクラはお寺ではない。あらゆる事業体は、とっても怖い国税庁・税務署に怯えながら経営を続けていることに変わりはない。よって補償の対象として「一般企業」のサラリーマンや個人事業主と、キャバクラ嬢を「納税」などの理由で区別するべきではない。

 

 

低成長社会とは・・・

「サラリーマンをバカにしているキャバ嬢を補償する必要はない(ヤフコメ)」・・・もはや感情論になってしまっている。いうまでもないけど顧客をバカにしているのはキャバ嬢だけじゃないだろ。市役所員は納税者をバカにし、銀行員は多重債務者をバカにし、日本郵政職員は高齢者をバカにし、警察官は通行人をバカにしている。なんとなく感じていたけど、低成長の資本主義社会では人と人が接点を持つと不快になりやすい。「低成長=取引をすれば損する可能性が高い社会」なのだから、そりゃ自然と貯金が多くなるのもうなづける。賢い人は少しでも快適な生活を送るために、従業員とお客がトラブルを起こしやすいサービスは極力避ける。銀行窓口、コンビニ、100円ショップ、外食チェーンなど利用してあまりいい気分にはならない。なんだろうな。その手の従業員の表情が死んでいる商業施設ってのは、すでに社会変革によって「行く必要がない場所」になっているケースが多いのかも。

 

 

関係するすべての人が幸せに

ただただ「批判」がしたいわけではない。本田宗一郎松下幸之助稲盛和夫が異口同音で言っていることだけど、関係する人々が全て幸せになる商売でないと長続きはしないし、社会は良くならない。グーグル、アマゾン、アップルなどの近年に急成長した企業を語る本には必ずと言っていいほど「関係するすべての人が幸せに」と書いてある。顧客からも従業員からも搾取はしない。これが問題だらけの資本主義の中で求められている「最低限」のルールだと断言している。名指しで恐縮だけど、「日本郵政」が報道されている通りの企業であるならば言語道断だ。

 

 

社会は繋っている

だからといって「感情論」のままに日本郵政関西電力東京電力三菱電機電通には新型コロナで経営が傾いても公的援助をするべきではない!!と言ってはいけない。その会社が嫌いだからサービスを使わないという選択(不買運動)は、当然に認められるべきで、韓国が日本製品を排除すること自体は、日韓関係の議題に上げるべきでもないし、日本のメディアが敵対的に報道すべきでもない。しかしこれらの企業が公的支援を受けることに反対するのは筋違いだ。かつて消費者金融出先機関としてグレーゾーン金利で利益をあげて多重債務者を量産していた都市銀行公的資金が注入されているのだから、キャバクラがたとえ「ボッタクリ」だったとしても差別する要件にはならない・・・。

 

 

誰かを不愉快にしてはいけない

キャバ嬢を批判する前に、自らのビジネスは誰かを食い物にしているのではないか!?と考える方が先ではないだろうか。自らの素行の結果として財務省職員が自殺してしまったことを反省すべき人はファーストレディ以外にもたくさんいるはずだ。相模原の障害者施設で19人を殺害した若者を、犯行前に放置した両親、(低賃金で搾取?した上で)解雇した事業体、犯行予告を受け取っていた国会議員、全く対応できなかった神奈川県警、施設の職場環境など想像すらせずに安心しきって預けていた遺族、そして自ら極刑を望んでいく被告人・・・。「日本だけ」ということはないだろうけど、犯行そのものよりも、その背後にあった社会の「冷たさ」「無関心」に背筋が凍る。こんな陰鬱とした事件がこれからもまだまだ起こりかねない状況を、「社会活動」で変えて行かなければならない。