「社会維持に不要な人は家を出ないでください」という重いメッセージ

これは新型コロナ対策への政権批判ではありません

 

長期政権になったワケ

安倍内閣は様々な疑惑を抱えながらも、比較的安定した長期政権が続いてきた。一定の支持が保たれた理由として、「新しさ」・・・があるように思う。「新しさ」とはそのまま「興味深さ」「面白さ」に繋がりやすい。政権発足から7年経過してもなお「新しさ」を維持する理由は、サンドイッチマンがモノマネをして大爆笑が取れるくらいに愛されている首相自身のキャラクターの「面白さ」に加え、安倍昭恵菅義偉麻生太郎、百田直樹、杉田水脈、籠池通、稲田朋美片山さつき、森まさこ、小渕優子高市早苗といった豪華メンバーを揃え、テレビや国民の話題をジャックし続けた。

 

完璧なシナリオ

「ドリル」などの小道具も駆使して、定期的に女性閣僚をスキャンダルに巻き込ませて、世間のオッサン達に「やっぱり女性はダメだ」と溜飲を下げさせつつも、即座に次の目立つ女性閣僚を立てることで「女性活躍社会」をアピールする段取りの良さ。ここまで完成度が高いものを見せられて、全くの後付け評価で恐縮だけど非常に優秀なシナリオライターが政権の背後にはいるのだろう。常に国民を「アジり」続けることで政権全体の知名度からパーソナリティまでが広く世論に伝わる。多くの批評家が「これだけ疑惑まみれなのに!!」と口をそろえるけども、その「顔」となる安倍晋三はなんといっても岸信介(元A級戦犯で服役)を祖父に持ち、佐藤栄作(吉田内閣で当選前から官房長官!!さらに自民党幹事長時代に贈収賄事件で逮捕されそうになり法相に圧力をかけて指揮権発動!!さらに政治資金規正法違反で起訴されるも恩赦を受ける!!)が大叔父である。

 

 

安倍晋三は現代のマハトマ=ガンジーだ!!

この一族の前では「国家権力」など何の意味もない。安倍首相に関するスキャンダルではしばしば「前代未聞」だとか騒がれているけど、すでに身内が全て経験済みなことばかりであり、どんな抜け道があるかも熟知している。そもそもピカピカの血統に生まれた安倍晋三が私利私欲のために無駄に動くとは考えづらい(貧乏人とは違う)。望めば何でも手に入る境遇であるからこそマハトマ=ガンジーのような存在にもなれる。そしてトランプともプーチンともガチ友であるがゆえ、近隣諸国のイケ好かないリーダーを「ガン無視」することもできる。東大生のクイズくらいで驚く低次元なテレビ番組しか作れない日本のマスコミが、この政権の本質を語ることは色々な意味で無理だろうし、報道しても国民の側が全く理解できない可能性が高い。結局のところ口では「安倍キライ」と言いつつも、どことなく心地よさを感じてしまうのだから。

 

美しい国とは・・・

安倍政権とは・・・頑固親父が一家を代表する戦前の社会システムである「家父長制」的な雰囲気を存分に持っている。親父なんか嫌いだ!!と言いつつも、心の中では大好きなのかもしれない。バブルの頃のパッパラパーの若者と、幕末や戦前の「尽忠報国」で行動した若者のどちらにシンパシーを感じますか!?と聞かれたら圧倒的に後者なんじゃないだろうか!? あまりにも自由過ぎて節度がなくなっている日本社会に疑問を感じている。老人は「若者の暴走」を危惧し、若者は「老害」と呼んで近寄ろうともしない。何でこんなことになった!?誰かが世代間の対立を煽ったとしか考えられないが・・・その責任を感じなければいけないのはやはりマスコミだと思っていたが、今では「テレビを観ない」人なんてそこら中にいる訳で、世代間の不公平感がくすぶっているのは言うまでもない。

 

 

幸せな自由

高度経済成長期からバブルまではある程度まで「自由」で良かったのかもしれない。市場規模は年々増大するから色々なことにチャレンジすることで多様な生き方ができた。偉大なミュージシャン、コメディアン、作家が生まれやすかっただろうし、世界的なデザイナーの日本人占有率は異常に高い。アウディBMWマセラティフェラーリ・・・これらは日本人デザイナーによって作り上げられた。

 

望まれるリーダー像

しかし平成から続く長い不況は、かつての「自由」とは相容れないものになったようだ。日本の姿に漠然と絶望を感じたり、隣人の振る舞いへ敵意をむき出しにしたくなったり、政治家など全くと言っていいほど尊敬されなくなった。政策を掲げることもなく、何ら目立ったことをせずに歳費だけをもらって任期を終えよう。俺は当選したのだから!!といった政治家が増えたこともあるかもしれない。そんな政治に対する倦怠感の中では、やはり輝くためのセンスが問われるのだろう。野田佳彦枝野幸男志位和夫といったとてもリベラルで有能そうに見える面々よりも、安倍晋三小池百合子松井一郎山本太郎といったどこかサイコパスな雰囲気を持つリーダーに支持が集まる。小泉純一郎の頃からすでにこの傾向はあったのかも。

 

 

小池百合子は統制が好き

国民の多くは無意識のうちに「ガチガチのパターナル社会」を求めているのかもしれない。バブルや平成への「自由」に逆戻りも御免だ。習近平金正恩みたいな「独裁」による「統制」を望んでいる。7都府県の知事の中で小池百合子だけが「営業自粛」へとズカズカ踏み込む強権を見せようとした。なんといっても首都東京なのだから、多少の経済的ダメージがあってもすぐに回復できることは誰の目にも明らかだ。他の府県の知事はリベラルな雰囲気で「二の足」を踏んでいるが、小池都政との比較という意味で、少々「ダサく」映ってしまう。まともな知性を醸しつつも何もできない野田、枝野、志位のようだ。

 

 

誰がリーダーでも世界は勝手に良くなる

トランプやプーチンを見ていても、やはり新時代のリーダーとは「前進力」が要求される。もし行き過ぎた場合は誰かが止めてくれるようになっている。どれだけブッ飛んだことをやってるように見えても「政治の行き過ぎ」の例なんてほとんど無いようだ。あれだけの違法虐殺に近い手法を駆使したフィリピンのドゥテルテでさえ立場を追われることなく政権を維持している。「FACTFULLNESS」を読めばわかるけど、主要国のリーダーの人格がどれだけ破綻してようが、世界各地では着々と「部分最適化」が図られ、遅滞なくあらゆる発展途上国は20世紀の段階より良い生活を送るようになっている。

 

 

変な政治家が好まれる

昔ながらの頑固親父の機嫌を家族は伺うことで、自分の行動決定を過度に悩まなくて済む。何だか窮屈な気がするけども、現代人の多くは「誰かの世話を焼きたい」と願っているのでは無いだろうか!?国民は安倍首相の全ての言動を心のどこかで楽しみにしている。集団的自衛権特定秘密保護法憲法改正アバンギャルドな「前進力」を見せつけ、ヒステリックに反対するリベラル派を十把一絡げに「何もできない」ダサい存在に貶めることに成功している。この負のスパイラルから抜け出すことなしに立憲民主党による政権奪取は難しいかもしれない。小池百合子松井一郎は「サイコパス二番煎じ」でしか無いので、安倍晋三の引退でも無い限りは出番は回ってこないだろう。

 

なぜマスク2枚なのか!?

今の日本は安倍総理を親父とする「家父長制」の国家。これが現政権の政策決定におけるイメージだろう。子供たちが「お金が欲しい!!」と騒いでいるところに「マスクを2枚あげよう!!」なんてまさに親父的な発想だ。国家のフレームを守るために「必要な人」だけ外出してください。「不要な人」は生きるも死ぬも完全に自由です。「必要な人」になりたければ医療関係者、自衛隊員、警察公安職員、政治家、公務員、JRA関係者といった「特権階級」になる必要があります。職業選択を間違ってはいけません。国を守るための「人材」になりましょう。これが今の有権者が選んでいる国家の本来の姿なのだろう。どこか納得できてしまうから不思議だ・・・。