ロードバイク 年齢相応にカッコ良く乗るためには・・・

非日常な自転車ライフ

継続できる健康的な趣味としてサイクリングは良さそうだけど、中学校以来かれこれ20年以上も自転車に乗った記憶がない。「自転車離れ」の理由は、生活の足として自転車を使うライフスタイルにはかなり抵抗があったから。会社勤めのうちは駅&買い物は徒歩圏内のところしか自宅の選択肢にはならないし、自転車に乗る格好で勤務できる職場に勤めたことも一度もない。

 

自転車はキレイに

シティサイクルを雨ざらしの屋外保管して朽ち果てていくのを見るのは辛い。だからといって室内保管するにはデカイし重いし色々と面倒だ。ある程度の年齢になったら、継続的に使うあらゆる持ち物はしっかり手入れをする習慣が身につくものだ。公共交通機関に乗っていて靴が汚れている人を見ると、無意識な嫌悪感を催してしまうように、錆びた自転車も誰かの気分を害してしまうものだと思う。見た目だけの問題ではなく、腐食が進んで公道で突如としてフレームが破断したらどうする!?自分も周囲の人も無事では済まない。

 

自転車に求められる哲学

多くのオッサンが趣味の自転車として「ロードバイク」「マウンテンバイク」「ミニベロ」のどれかを選択することが多いようだ。当然ながら普段使いはしないのでカゴ無し、スタンド無し。もちろん便利なのでカゴやスタンドを敢えて付けるスタンスの人も一定割合いるようですが、全く理解できないです。そもそも「街乗り」という区分に違和感を感じる。大学生でもないし、自転車に乗って近所をウロウロしたいとも思わない。自転車に求めるものはただ一つで「限界突破」体験だけなので・・・。

 

条件は自然と絞られる

プロムナードをグラベル仕様のバイクで颯爽と走るエクスペリエンスも非日常さがあって良いけど、フロントフォークの暴れ加減を見るだけでも、ちょっとヤンチャ過ぎるんじゃねーの!?って気がしないでもない。そこまでシャウトしなくてもいいし、フレームや機材をぶっ壊すためにわざわざ山へ行っている錯覚すら覚える。できることならば自動車が極めて少ない「舗装路」で目的を果たしたい。「限界突破」体験はある程度の年齢の人にとっては精神衛生上とても良い。どんな大企業にお勤めであっても、「他の人では絶対にできない」難易度の高い仕事に従事していて、しかも飽きることなく日々その難易度が上がっていくゲームのような環境に身を置いている人などほとんどいないだろう。

 

社会的病巣

ちょっと酷い言い方だけど、日本のような低成長なマス共同体の名も無き汎用構成員として「低刺激」な日常を過ごしていると、ふと自殺願望みたいなものが芽生える。30歳代の後半くらいからだろうか。そしてそんな女々しい気持ちに打ち勝つために多くの人が無意識に「自己更新」なる行動を取り始める。簡単に言ってしまえば、今までの自分ではできなかったことをしたがる。「高級リゾート」「高級レストラン」「高級ブランド品」「高級車」「別荘」といったマテリアルに心を奪われる。しかしハワイ、バリ島、タイ、あるいはジョルジュ・アルマーニ、ジパンシー、マーク・ジェイコブスは期待こそ高くても思ったほどは満たされない。インスタや世間話で「どこどこに行った」とか「〇〇を買った」みたいなことを報告したい人にとっては金額が大きいければ都合がいいんだろうけど・・・。

 

 

適度な休日

買い物をしても気分良くならない。そんな「ビジネスモデル」のズレに気がついた人は、ちょっと考えて代替手段の「限界突破」体験を別のものに求める。そして「走る・泳ぐ(潜る)・漕ぐ」にノメり込んで行くのだろう。「もう若くないよな」と思いつつも、3ヶ月も律儀に続ければかなり「成長」することに驚く。自転車だと片道50kmの江ノ島秩父まで日帰り往復なんてことが無理なくできる。朝早く出れば昼過ぎには帰ってこれる。道の駅などで何か美味しそうなものを仕入れて、午後はゆっくりお酒を飲むこともできる。半日で切り上げるのがちょうどいい感じ。

 

ダサいことに気がつかない人

「街乗り」用の自転車は要らない。あくまで所有するのは全て自分の「限界突破」のため。それ以外の目的で自転車に乗ることはない。本当に失礼な話だけど、ショッピングモールなどにロードバイクでやってくる人がいると、その付近はちょっと騒つく。何でこの人はロードバイクで買い物に来るの!?もしかしてわざわざ人がいるところを選んで乗り付けてきているのか!?高価だか何だか知らんが、野球のバットや剣道の防具をショッピングモールに持って来る人くらいに変な光景だが・・・。

 

ロードバイクを辞めます!!って人が結構いる

別に他人の行動などどーでもいいのだけど、ロードバイクの「ブーム」は続いている。当然ながらマナーが意味不明な人もたくさんいて、全国各地で悪名高ったりするようだ。残念ながらロードバイクに乗ってるオッサンの平均値はかなり低くなっている可能性が高い。何も考えずにロードバイクを選んで場所とわきまえずに乗ってたら、「風評被害」でちょっと嫌な思いをすることもあるようだ。ネット上には「(ムカつくので)ロードバイクをヤメました!!」のように捨て台詞と共にネガティブに自分勝手な道理を書いてる人もよく見かける。マナーの悪いオッサン・ローディーがムカついて仕方ないらしい。そんな奴ら無視すればいいじゃん。律儀に気にしてしまうセンシティブな彼らの共通点も、なんとなく見えてくるが、どうやら高級ブランド品や高級車のノリでロードバイクを選んでいることに原因がありそうだ。

 

 

ブランドは怖い

メルセデスの底辺グレードを買った後で、そのモデルを所有すると周囲からどう思われるか?に気がつき半年足らずで手放すケースに似ている。まあ・・・乗りたい気分にならないならさっさと売却してしまった方がいい。ロードバイクの有名ブランドでも、メルセデスのようにブランド内でそれぞれにかなり立派なヒエラルキーが作られている。熱心にレースに取り組む人にとってはフラッグシップモデルの完成車価格で150万円も納得できるだろうけど、健康維持を目的とした趣味のロードバイクとしては少々高額過ぎるかも。だからといってボトムグレードのモデルを選ぶとベテラン・ローディーからマウンティングされるらしい・・・。

 

 

どーすればいいんだ!?

一時期多くの(比較的に若い)自転車系ユーチューバーが話題にしていたけども、初心者が100万円以上の高級バイクに乗ってると、「それはあなたのような遅い人が乗るものではない」と言われ、ボトムグレードの20万円くらいのバイクに乗っているとマウンティングされるらしい。50歳以上のオッサンがとにかくウザいらしい。「50歳以上でロードバイクに乗ってる奴は頭がオカシイ」がスタンダードになってる!?いやいや50歳以上なんて他の分野でも十分に頭オカシイ奴がたくさんいる(クルマ好きの方がバカ率高いんじゃね!?)。

 

痛い目に遭うブランド

ブームでダサい奴が湧いているロードバイクだからこそ、その選択は慎重に行おう。いわゆる世間で「50歳以上のバカ・ローディー」とされる人種とは、積極的に距離を取りたい。特に取り扱い注意なのはアメリカとイタリアの有名ブランドだろうか!?名前を出して恐縮だけど、ブログやユーチューブで不満を言っている若い人(嫌な思いをした人)が使っているブランドって「トレック」「スペシャライズド」「キャノンデール」に偏在している気がする。単純にユーザーが多いだけって可能性もあるけど。

 

ブランドの幅が広すぎる!?

このアメリカ系3ブランドはボトムグレードのアルミバイクが十分に用意されていて、UCIワールドチームにバイクを提供しているブランド力を考えると、かなりお買い得な感じもする。しかし当然ながら実際にレースで使われるバイクのレプリカモデル(フラッグシップモデル)は完成車価格で100万円を軽く超える。150万円の完成車は「そこそこのセレブアピール」に使うにはやや高価過ぎる(ほとんどの一般人は価格がわかってないし)。まあ多くの人にとって決して手が届かない価格ではないけども、本気で使い込むと耐用年数が2年という消耗品的な性格を考えると、よほどの理由(レースに勝ちたい)がない限りは割に合わない。

 

ブランドは商売でやっているんだ・・・

同じようにUCIワールドチームに提供している「ピナレロ」「ビアンキ」「デローザ」「コルナゴ」「BMC」もブームで人気があり、人が集まるサイクリングスポットで「飾って」いる人をよく見かける。一般人からしてみたらブランド名など全くわからないし、まあいいロードバイクなんだろうな・・・くらいにしか思わない。そしてアメリカ系ブランドと同じようにトップモデルは100万円以上、ボトムグレードは20万円以下で価格帯の幅が広い。ユーザーにとっては悩ましい設定だ。20万円もするのだから、せめて見た目も同じようにしてほしいが、どのブランドも戦略は同じで100万円以上のバイクを買わせるために、圧倒的にカッコよく見えるように作られている。見る人が見ればわかるが洗練度が全然違う・・・。

 

選択肢

個人的な結論で恐縮だが、20万円前後のロードバイクを選ぶなら徹底してUCIワールドチーム&弱虫ペダル御用達なブランドは避けるべきだ(ミーハーな連中とバイクが被るほどダサいものはない)。ロードバイクブランドはまだまだたくさんある。大手のロードバイクブランドとは異なる戦略をとるマイナーブランド「チャプター2」「アルゴン18」「キャニオン」「オルベア」「サーベロ」などを選ぶのもいい。もしくはカーボンロードではなく耐用年数が長いクロモリバイクという選択もありだ。ただしアルミバイクは乗り心地が悪く、完全にカーボンの下位互換なのであまり良い選択だとは思わない。

 

使い道に応じた自転車

1台の自転車を様々な用途に使うと、その分だけ「個性」が失われて走りが陳腐化する。3時間で60〜80kmくらい走るトレーニングと5時間で100〜150kmくらい走って遠隔地へ出向く使い方を1台のバイクでこなすのは色々と不都合だ。ロードバイクで80km程度を走ったところで大した運動量にはならない(負荷が足りない)。80km平坦路で手軽に「限界突破」を感じる走りがしたいならばミニベロの方が適している。27インチのロードと比べ車輪1回転で40cm近くの差が生まれので、ロードと同じ距離を同じ時間で走るためには負荷が2倍近く増える。近所の公園のサイクリングロードをロードバイクでベタ踏みして50km/h越えなんて暴挙だ。同じ運動量でミニベロなら速度域を35km/h程度に抑えることができる。

 

100km以下ではミニベロ

短距離のトレーニングのためにミニベロを導入する必要があるのか!?ミニベロにはロードバイクとは異なる「魅力」がある。チェーンステーの長さは加速に直結するが、ロードバイクでは405mmくらいなのに対してミニベロは3800mmまで短縮されている(加速性能は高い)。トップスピードはロードバイクに敵わないけど、35km/hまでの加速の気持ち良さはロードバイクを上回る爽快感が楽しめる。トップチューブの角度も75度くらいあるのでハンドリングも極めてクイックで、公園のサイクリングロードにありがちなワインディングでは、ロードよりもミニベロが楽しい。歩行者も多いサイクリングロードには、ロードバイクを「飾り」にくるオッサンも多い。そんなステージにロードで乗り込むと同じ土俵で「同類」にされてしまう。ミニベロでそんなオッサン・ロードを煽り運転・・・してはいけません。

 

ロングライドは・・・

ミニベロでは少々難しい150km以上の行程ならロードを使いたくなる。10kg程度の車重に抑えられているのであれば、カーボンもクロモリも30km/h巡行をする分にはあまり差はない。全くの平坦路ならばシングルスピードのピストでもいいのかもしれないけど、狭い日本で交通量の少ない僻地を150kmも走ればそれなりのアップダウンが出てくる。よって外装ギアが使えないシティサイクルも同じ理由で避けたい。クロスバイクでも十分こなせるけども、「大学生」と思われるのが癪な人は避けた方がいい。チェーンステーが長いクロスバイクは加速感が物足りないという欠点もある。

 

ロードバイクは「登る道具」

150kmも距離を走らずにロードバイクで負荷をかけるならば「登坂」しかない。インナー&ローを使ってゆっくり登る分には、どんなロードバイクでもいいけど、このステージだけは公道ながらスピードを追求することが許される。10%程度の坂を10km/hで走ろうが20km/hで走ろうが特に周囲に迷惑はかからない。つまり遠慮なく自分の限界に挑むことができる。グランツールのように標高1500mm超の高所まで登る200km前後のコースを走るならば、ちょっとお高いロードバイクを購入するのに値する達成感があるかもしれない。アンカーのRS9sやビアンキスペシャリスマ(どちらも70万円〜くらい)などのクライマー系ハイエンドモデルこそが唯一のお金をかけたいロードか!? 現時点ではミニベロ、クロモリロード(チネリかFUJI)、クライマー系カーボンロード(ハイエンド)の3台持ちが結論。